障がいある妹 大好きだよ。
今年度の「心の輪を広げる体験作文」の中学生部門で最優秀賞を受賞したのは、和泉市の中学生でした。朝日新聞で紹介されていたのですが、作文の内容がとても気になったので、インターネットで受賞作文を検索しました。
「妹」という題で書かれた作文の始まりは、私の妹は殺されてもいいのでしょうか?というショッキングな書き出しでした。今年の7月26日に発生した神奈川県相模原市にある障がい者施設で多くの入居していた障がい者が殺された事件をきっかけとして、作者の常盤さんが障がいを有する妹さんのことを思って書いた作文です。
私もこの事件が生起した時には、大きな衝撃を受けました。教師という仕事を今まで続けてこれたのは、クラスにいた障がいを有する子どもたちのおかげだったからです。初めて教師として教壇に立った時に、クラスに重度の自閉症の子どもさんがいました。言葉がなく、思いを相手に伝えることがうまくできませんでした。私は教師としてどのように接していいか悩んでいた時に、クラスの子どもたちが私に彼の思いを伝えてくれたのです。彼がこのような行動を取った時は、こんな思いなんだよ。その正確な情報に驚きました。3年生でしたので、彼といっしょに過ごした2年間または1年間の経験から、彼の思いを言葉ではなく、表情や動きから受け取っていたのです。その後もクラスに障がいを有する子どもさんがいてくれたことで、「やさしさ」をクラスの中心にしていくことができました。私が教えたのではなく、みんなが彼らから学んでくれたのです。共に育つことができるかけがえのない存在です。
滋賀県で仕事をしている障がいを有する卒業生(40歳代)がいます。文章を書くのが苦手なので、毎年お正月に電話を掛けてくれます。(1年に1回だけです)「あけまして、おめでとう。」もう20年近く続いています。3年前に滋賀県に行った時に会いに行きました。いっしょに食事をしながら話をしました。別れる時に彼が働いている会社で作った漬け物のセットをお土産にもらいました。「ぼくが作った漬け物や。」家に帰って、その漬け物を食べている時になぜか涙が出ました。
彼女の作文をぜひ読んでください。私は今日の朝礼で、新聞記事のことを全児童に紹介しました。お家でも子どもさんやご家族と話をしてください。身近に障がいを有する方がいらっしゃったら、ぜひコミュニケーションを取ってください。
朝礼では、作文の後段に書かれている部分を読みました。
私は、人は必ず使命を持って生まれてきていると思います。障がい者が障がいを持って生まれてきたのは、弱い人がいるということをみんなに伝えるためで、私たちが健康に生まれてきたのは、弱い人を守るためだと思います。私達と障がい者は、障がいがあるかないかが違うだけで、同じ一人の人間です。全ての人間で助け合って生きること、それが、全ての人間が持つ使命だと思います。
今年私が続けて言ってきた「みんなちがって、みんないい。」をもう一度話しました。
大阪府障がい福祉 行政情報のホームページから受賞作品がダウンロードできますので、以下にご紹介させていただきます。
http://www.pref.osaka.lg.jp/keikakusuishin/syougai-info/kokoronowa27.html
平成28年度「心の輪を広げる体験作文」「障がい者週間のポスター」入選作品