ドラ校長の広場

ドラえもんが大好きな校長のブログです。

劇団四季「こころの劇場」

 こころの劇場とは

 子どもたちの心に、生命の大切さ、人を思いやる心、信じあう喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを、舞台を通じて語りかけたい。日本全国の子どもたちを無料で劇場に招待し、劇場の感動を届けるプロジェクト「こころの劇場」は、そうした祈りの下、2008年に誕生しました。(劇団四季HPより)

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 このこころの劇場には、本校は6年生が参加させていただいています。なかなか観劇等が単独で実施できない本校ではたいへん貴重な機会です。他校では隔年等の参加だと聞いています。

 劇団四季によるとこの事業で2013年度は全国159都市、430公演、56万人の子どもたちが招待されたということです。2013年度は「はだかの王様」「人間になりたがった猫」「桃次郎の冒険」の3つの題材のミュージカルでした。

 昨日月曜日、午前9時前にマイクロバスに乗り込み、オリックス劇場に向かいました。オリックス劇場とは、旧の厚生年金会館を大改修した施設です。卒業生はみんな参加してきました。今年のミュージカルは「魔法をすてたマジョリン」でした。

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 劇団四季のサイトから」

 今、子どもたちを取り巻く環境は、ひと昔前とは大きく様変わりしています。少子化・情報化社会の中でより多くのものを求められる中、大人の期待を小さな体に一身に引き受け、その期待に応えようと懸命に頑張っている子も少なくありません。端的な例では、かつては稀だった中学校の「受験」。今では珍しいことではなくなり、受験に臨む子どもたちは、厳しい競争に晒されながらも毎日遅くまで塾に通っています。

しかし、そんな環境にあって、いつしか心を置き去りにし、ストレスばかりを抱えていく子どもが増えているといいます。教育現場では、いじめや学級崩壊の問題が後を絶ちません。他者への優しさや思いやりよりも、自分のストレス発散を優先してしまう子どもたち・・・。

そして、マジョリンの住む世界では、こうした負の感情こそが魔女たちの大好物となっています。人間をそそのかし、嫉妬や裏切り、エゴを増大させることが魔女の生業であり、一人前の証です。エゴイズムに取りつかれた人間は、自分では周りを出し抜き、自分だけが得をしていると思っていますが、実は魔女たちのいいように操られているだけ。自分の人生を強く生き抜いていく“心の豊かさ”は擦り減っていくばかりです。

もちろん、人生において勉強や仕事(マジョリンの世界では魔法)は、とても重要な要素です。マジョリンも唯一魔法こそが大人の証と信じ、修行に励みます。しかし、ある少年の「思いやりの心」にふれて、悩み、そして魔法こそが絶対と考えていた頃からは考えられない、素敵なレディへと成長していきます。

社会へ出る準備として多くを求められ、また背負わされている現代の子どもたち。勉強は学校や塾が教えてくれますが、彼らの“心の豊かさ”は一体何が育んでくれるのでしょう? 
それは、文学や芸術作品にふれ、自分で育んでいくものではないでしょうか。手取り足取り教えずとも、子どもたちは自分の心で考え、何が大切かを学びとってくれるはずです。

『魔法をすてたマジョリン』は、そんなたくましい子どもたちへの劇団四季からのささやかなプレゼント。この舞台から、多くの感動と心を豊かさを受け取ってくれることを、私たちは願っています。

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 お弁当を食べていると急に雨が降ってきてたいへんだったそうですが、マジョリンが降らした雨かもしれませんね?