ドラ校長の広場

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和泉市の小中一貫教育

 7月28日午後 コミュニティセンターで和泉市小中一貫教育研修会が開催されました。教員対象の研修会でしたが、小学校と中学校教員が3階多目的ホールにぎっしり集まりました。正確に人数は聞いていませんがおよそ300名は参加していたと思われます。講師には京都産業大学の牛滝教授をお招きしました。なぜ、小中一貫教育連携を進めることが大切なのかについて「教科、主に算数、数学とICT」とを例にとってお話ししてくださいました。先生方は具体的事例を示していただき、算数が中学校で数学だけでなく他教科に役立っていることなどわかりやすくお話ししてくださいました。

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《小中連携》

 小中一貫教育の話の前に「小中連携」からまずお話ししましょう。

 和泉市では、10年以上も前から(中学校区によってはもっと前からの所もあります)小学校と中学校の先生方が、少しでもスムーズに中学校生活が始められるようにと、小中連携を始めていました。

 小中学校間では、まず先生同士がお互いの顔も名前も知らないことがほとんどでした。中学校区で教員間の交流に取り組むことから始めたところもあります。小学校児童は中学校生活に不安を持つ子が多かったということを受けて、中学校生徒会が児童向けに中学校の学習やクラブ活動などの話をしに来てくれる交流が始まりました。体験入学の試みも行っています。

 視点を変えてみますと、中学校の授業を小学校の先生は知りません。また小学校の授業を中学校の先生は知りません。このことからお互いの授業を参観することが始まりました。ここが大きなポイントです。

 小学校はほとんどの教科を担任が指導する「学級担任制」です。子どものことを担任は細かいことまで知ることができるメリットがあります。子どもたちにとっては安心感があります。中学校では、教科ごとに先生が入れ替わる「教科担任制」が取り入れられています。このメリットは、専門性を持った先生が指導することで、より高度な内容を学習できるメリットがあります。しかしながら、現代では、小学校高学年の発達段階でも専門性が必要になってきています。

 ここで中学校に進学した子どもたちの中に不安感が現れてきます。昔はその不安感を越えることが当たり前でしたが、その段差に躓く子どもたちがいることも確かです。中学校でも不登校やいじめなどの配慮の必要なことが多くなってきています。それらの課題を小中学校教員が力を合わせて解決していこうという取り組みが、小中連携の大きな柱でした。

連携から一貫へ

和泉市の小中一貫教育》

http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/61/ikkann.pdf

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 本年7月に政府の教育再生実行会議が「小中一貫教育の制度化」を打ち出しましたが、和泉市の小中一貫教育は平成23年頃からすすめてきています。先ほど連携の取り組みの一部をご紹介しましたが、それらの取り組みを活かして

1.小・中学校で共通しためざす子ども像を設定する

2.小・中学校で協力した推進組織体制を構築する 

3.9年間で子どもの育ちと学びを見通した継続・連続した指導を行う

この3つの柱で取り組みを進めます。

要するに、義務教育9年間を小学校の教員も中学校の教員も責任を持って指導していこうというものです。和泉市のホームページに小中一貫教育のQ&Aがありますので、一度ご覧ください。

http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/kenfukukyou/kosodate/1379580287368.html

これからも、わかりやすい取り組みでご紹介していきます。