ドラ校長の広場

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父鬼街道と信太周辺の街道展  《 信太の森ふるさと館 》

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 昨日26日、信太の森の鏡池史跡公園にある、信太の森ふるさと館に笹踊りのことを紹介する文章を届けに行ってきました。皆さんはご存じでしょうか?また行ったことはありますか?そんなに大きな施設ではありませんが、和泉市が全国に誇ることができる歴史上とても有名なお話の舞台でもあります。

 「信太の森」

 平安時代清少納言が「もりは信太の森」(「枕草子」)とたたえ、多くの歌人たちが和歌に詠んだ信太の森は信太山丘陵の北部を中心に広がっていたと考えられ、現在の葛葉稲荷や聖神社の森にうかがうことができ、特に近畿を北限とするシリブカガシが我が国最大規模の純林を誇っており、古代のこの地方の森林の姿をよくとどめていると考えられています。

 「葛の葉物語」

 恋しくばたずねきてみよ和泉なる

           信太の森のうらみ葛の葉

 この有名な一首は、この物語の主人公「葛の葉」という名前を名乗った狐が詠んだ歌です。

 昔、摂津国に安部保名(あべのやすな)という若者がおりました。ある日のこと、信太大明神に参詣し、池のほとりで沐浴(もくよく:体を清めること)をしていますと狩人に追われ傷ついた白狐が逃げてきました。保名は狐をかくまい逃がしてやりました。追ってきた狩人たちは保名を攻め、深い傷を負わせました。

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 傷で苦しむ保名のもとへ、葛の葉と名のる若い女が訪ねてきて、介抱しました。女は白ギツネの化身(けしん:ばけた姿)だったのです。保名はそうとも知らず、やがて二人はともに暮らす仲となり男の子が生まれました。名前を童子丸(どうじまる)とつけて幸せな日々が過ぎていきました。

 6年目のある秋の日、葛の葉は庭に咲く美しい菊に心を奪われ、うっかり正体のしっぽを出し童子丸に見られてしまいました。葛の葉は狐とわかればこれまでと

 恋しくばたずねきてみよ和泉なる

           信太の森のうらみ葛の葉

の一首を障子に残して信太の森に帰っていきました。

 保名と童子丸は母を求めて信太の森を探し歩きました。森の奥深くまで来たとき、保名がふとふり向くと一匹の白狐が涙を流して二人を見つめていました。はっと気がついた保名が「その姿では童子がこわがる、元の葛の葉になっておくれ」と声をかけると、白狐はかたわらの池に姿を映すとたちまち葛の葉の姿となりました。「かかさま」とすがる童子をさとしながら、葛の葉は形見に白い球を与え最後のお別れを惜しんで、再び白狐となって森の奥へと消えていきました。

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 この童子こそ、やがて陰陽道(おんみょうどう)の祖、天文博士に任じられた安倍晴明(あべのせいめい)だと語られています。

 このふるさと館で、27日(木)から10月4日(日)まで「父鬼街道と信太山周辺の街道展」が開かれています。本校で作った炭も展示されています。お近くに行かれたときは、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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