ドラ校長の広場

ドラえもんが大好きな校長のブログです。

小中一貫教育の取組(槇中校区の例)

 槇尾中学校区では2つの小学校と1つの中学校がお互いの授業を見合うなどして研修を深める「三校合同研修会」を毎年継続して開催しています。お互いの授業を知ることで、違いを見つけ課題を整理したり、その解消に向けて取り組むことができます。23日は今年の第1回の合同研修会でした。場所は槇尾中学校、授業は2年生の理科と音楽でした。槇尾中学校の今年の研究テーマは「生徒が主体的に学び、生き生きと活動する授業」です。南横山小学校は「子どもが主体的に学び合う授業をいかに創造するか」がテーマです。小中学校はほぼ同じ方向性を持っています。これがとても大切だと考えています。将来的には義務教育9年間を見通した共通したテーマで取り組んでいけるよう話し合いを続けていきます。 

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 小学校と中学校では、基本的に授業スタイルが大きく違います。小学校はほとんどの教科を担任が教える「学級担任制」をとっていますが、中学校は教科ごとに専門の先生が教える「教科担任制」をとっています。学級担任は道徳とその先生の教科とホームルームが担当になります。これは小学生と中学生の発達段階を考慮している方式です。しかしながら、皆さんもそうであったように、中学校に入学したとたん大きく違う制度に戸惑う子どもたちは少なくありません。また、友人関係も大きく変化します。勉強の仕方に戸惑う子もいます。それらの違いを先生方も案外知らなかったのです。小学生には先生がどのように指導しているのか、中学生の授業やシステムはどうなっているのか、小さな違いが積み重なって、子どもたちには大きな段差になっていたかもしれません。大人は誰もが経験してきたことなのです。しかしながら、最近の子どもたちの中には、その段差に躓き、学校に行けなくなってしまう不登校の生徒が多くなっています。そのシステムだけが原因ではないかと思われますが、中学1年生になって不登校の数は倍増するのも事実です。

 その段差を少しでも緩やかにし、小学校と中学校の接続をスムーズにするために研究していく必要があると考えています。必要な段差は残しつつ、スムーズに中学校生活を送れるようにこれからも研究していきたいと考えています。

 《南横山小学校の取組》  

 本校では、音楽専科の先生はいません。家庭科のみ専科の先生が授業を受け持っています。男性で首席として教務やPTAを担当しています。音楽は5年担任と6年担任が授業交換をしています。この写真は、6年担任が5年生の音楽を指導しています。そしてここでも小中一貫教育の一つの取組として、英語学習と同じように中学校の音楽の先生がTT(ティームティーチング)として授業を担当していただいています。ピアノを弾いてくださっているのが中学校の先生です。指導力はさすがに専門の音楽の先生ですので、すばらしいものがあります。

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 以前1年から6年までの英語活動において、中学校の英語の先生に来ていただいていることを紹介しました。槇尾中学校区では、横山小学校と南横山小学校に中学校の先生が兼務として来ていただいています。横山小学校では、音楽ではなく体育の先生と英語の先生に来ていただいているそうです。

 このように中学校の教科専門知識を小学校にも伝えていただくことで、小学校教員の指導力の向上にも役立てていきたいと思います。